精 進 ヶ 滝 121 m
の前衛 ” 九 段 の 滝 ” 約40m
この地点では ” 精 進 ヶ 滝 ” は見えません。
目 次
Ⅰ.石 空 川
1.富士川水系の在来渓魚
2.経 路
3.アプローチ
4.入 渓
2.経 路
3.アプローチ
4.入 渓
Ⅱ.渓魚の種と自然分布
1.アマゴ・ヤマメの自然分布圏
① アマゴ
② ヤマメ
2 屋久島のヤマメ
3.イワナの自然分布圏
Ⅲ.日本のイワナの分類
1.一 種 説
2.五 種 一 亜 種 説
3.二 種 一 亜 種 説
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Ⅰ.石 空 川
( い し う と ろ が わ )
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南アルプス
” 地 蔵 ヶ 岳 ”
( 2764m )
を主水源とし
” 離 山 ” OR ” 燕 頭 山 ”
( 2307m ) ( 2104m )
等々、諸山の沢水を集め、凡そ 9.0 km を経て
612号線が通る ” 駒 成 橋 ” の上流500mの
” フレンドパーク武川 ”
付近で ” 大武川 ” に流入する支流です。
この合流地点から ” 大武川 ” は北へ約4.5km下流し
20号線の ” 牧原交差点 ” の北500m
612号線が渡る ” 釜 無 川 橋 ” の上流50mで
” 釜 無 川 ”
に流れ落ち込みます。
” 石 空 川 ” も ” 大 武 川 ”
と同様、上流域は
変化に富んだ花崗岩の ” スラブ滝 ” が幾つも連なる
ダイナミックな ” 石空川渓谷 ” を形成し
” 日本の滝100選 ”
東日本一の
落差121m ” 精 進 ヶ 滝 ” を擁しております。
精進ヶ滝へは、精進ヶ滝駐車場から
整備されたナダラカナ
” 遊・歩・道 ”
を辿る約40分の行程です。
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1. 富士川水系の在来渓魚
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南アルプスの北端
鋸 岳 ・ 横 岳
2685m 2142m
鳥 帽 子
(2533m)
を諸水源とする ” 釜無川 ” 64Kmを含めた
全長126Kmが河川法上の
” 富 士 川 ”
であり、富士川水系の在来渓魚の自然分布は
” アマゴ ” と ” ヤマトイワナ ”
の自然棲息圏でありましたが
現在は ” ヤマメ ” 及び ” ニッコウイワナ ”
” アメマス ” の陸封型 ” エゾイワナ ”
が放流され、残念ながら
” ヤ マ ト イ ワ ナ ”
にお目に掛かれるのは
源流域の支流、小沢でも極めて稀であるようです。
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2. 経 路
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中央道・須玉インターを降り
白州方面へ
接続している141号線に右折して進入します。
右折後2分 ” 中 央 道 ” の陸橋をくぐったら
すぐの交差点を左折し” 611号線 ” を通り
甲州街道・20号線に向かいます。
須玉ICより、およそ10分
牧原交差点で甲州街道20号線を横切り
612号線を直進します。
牧原交差点より1分弱
北杜市営の ” むかわの湯 ” 天然温泉があります。
帰り際には是非お立ち寄りください。
詳細は下記にアクセス
牧原交差点より3分程の ” Y ” 字路を山高方面へ進み
精進ヶ滝を目指します。
牧原交差点から、およそ5分
案内看板に従い、十字路を右折し
突き当たりで右折します。
須玉ICから、16分
精進ヶ滝への案内看板に従い左折し
完全舗装された ” 精進ヶ滝林道 ” を走ります。
快適な緩やかな林道が続きます。
” 精 進 ヶ 滝 林 道 ”
を走ること約13分、分岐路に出合い
右側のゲートのある方向に下ります。
左に登り進むと
” モジリ峠 ー> 御座石鉱泉 ー> 小武川 ”
へと未舗装の5Kmの砂利道で繋がっております。
須玉ICから約30分
吊橋脇の ” 精 進 ヶ 滝 駐 車 場 ” に到着です。
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3.ア プ ロ ー チ
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” 精 進 ヶ 滝 橋 ”
を渡り、左岸側から入渓します。
全長約50m、高さ40m程
ユラリ・ヒヤリ ” 空 中 散 歩 ” から始まります。
ユラリ・ヒヤリ ” 空 中 散 歩 ” から始まります。
下流側を見 ” ゾク ・ ゾク ” 肝っ玉が縮みます。
上流側の様子です。
吊り橋を渡り終えた所に設置されている案内図
その下には ” 精 進 ヶ 滝 40分 ” の標識ですので
滝を目指しての釣行に挑みます。
案内板から1分ほど
明るい開けた林の中を通り抜け渓に出ます。
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4.石 空 川 入 渓
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釣 行 日・・・・・・・・7月10日午前10時00分
天 気・・・・・・・・ 快 晴
気 温・・・・・・・・28度 水温=18度
R O D ・・・・・・・・6.00 Foot Power = Slow
L I N E・・・・・・・・・Phoenix Silk 3Weight
LEADER・・・・・・・・Phoenix Braided Silk Tappered 1.50m
TIPPET ・・・・・・・・9 X
標 高 ・・・・・・・・1060m
案内板から50m程で容易に入渓できます。
入渓直後の様子です。
大小の石が重なり合った ” ゴーロ ” の沢です。
日本列島を東西に二分している境界線
” フ ォ ッ サ マ グ ナ ”
良く分かりませんが・・・。
南端側を流れているので陽射しが強く
頻繁に川水を飲水します。
今だ過って川水を飲水して体調を崩した事はありません。
大石郡を越えるのは難儀です。
ヤット北端側に流れが変わり
涼風の中で一休みです。
大石越えが続きます。
左岸側が主流
右岸側の細流が支流のようです。
支流側に入ってみます。
大小の石の隙間を流れ下っています。
崩落場所を注意深く乗り越え
乗り越えた先には滝が!
期待をこめて、左岸側から
左にロッド、右手で岩を掴みながら
這いつくばって登ります。
登り越えて上流を見ますと
先に進むと滝です!
登り越えられますが、その先には2段の滝
此処で、あきらめ、合流地点に戻ります。
今思うと ” モウチョット ” 行きたかったな~と。
合流地点に戻り、石の壁を越えます。
越えた先には2段の滝。
2011年10月の台風で川面すれすれに掛かってた
橋が流され、一段と高くなったアルミ製の橋に
付け替えられていました。
手前が ” 一の滝 ” 3m位でしょうか。
” 魚止めの滝 ”
と括弧書きされていますが・・・・。
こちらが ” 二 の 滝 ” 16mほどでしょう。
左側の急勾配の鉄梯子を登ります。
ロッド片手に、右手は手すりをしっかり掴み慎重に登ります。
一段が20cm位でしょうか。
この急角度の鉄梯子、数えたら81段でした。
登り終えると直ぐに ” 三 の 滝 ” その奥にも見えます。
” 三の滝 ” の真ぐ上流にも滑滝。
洗濯板を流れ下って来るような様子からでしょうか
” 滝 洗 峡 ”
の文字板が立っていました。
滑滝が多く出現してきます。
左岸側から直登です。
三の滝の吊り橋から2つ目の吊り橋を潜ると
様相が一変します。
巨岩・巨石帯です。
モウ、釣りどころではありません。
ミニ沢登りに専心 ” 精 進 ヶ 滝 ” を目指します。
いかに越えるかの思案模索です。
左岸側に ” 遊 歩 道 ” が沿っていますが
かたくなに ” 沢 ” を登ります。
ロッドを上に放り投げ、懸垂で越えます。
大石の密集壁
巨岩・巨石を越えるごとに楽しくなり
新たな征服意欲が募ります。
正面突破の ” ミニ・ボルダリング ” の態です。
巨岩の隙間を ” 突っ張り ” ながら登ります。
片手が塞がっており難儀です。
ここも正面突破
膝・肘・体を摺り寄せ、這いずりながらの直登です。
簡単なように見えますが
斜度があると滑ります。
ロッドを上に放り上げては懸垂の連続です。
巨岩・巨石を乗り越えることに腐心したので
登り立って見ると
巨岩・巨石に隠され流路が分かりません。
巨岩の裏に廻ってみると
!! オ ー ア ッ タ ~ !!
ロッドが邪魔しながらも枝の間を潜り抜けます。
開けた砂地帯に足を取られながら進むと
突如現れた ” ダイナミック ” な滝
上流は飛沫が舞って霞んでます。
し か し、これが
” 精 進 ヶ 滝 ? 121m ? ”
しばし呆気に取られながら観賞
仕方なく退路を探すべく振り返り周囲を
” キ ョ ロ キ ョ ロ ”
左岸側に沿っているであろう遊歩道は見当たらない。
し か し
中央前方の木々の間に
この場に似つかぬ ” 赤 色 四 角 版 ” を発見。
期待しながら20~30mよじ登ると
何と ” 滝 見 台 ” ラッキー
振り返ると
! ! ! オー ! ! コ レ ゾ ! ! !
因みに、滝見台は標高1180mに設置されております。
こ ち ら が
” 小 武 川 支 流 ・ ド ン ド コ 沢 ”
にある ” 南 精 進 ヶ 滝 ” です。
勾配のキツイ
正しく登山路を2時間50分掛けて撮った写真です。
” 両 精 進 ヶ 滝 ”
を見、満足感に浸った瞬間です。
興味がございましたら過去ブログ
” No-34=2012-08 ”
をご覧ください。
帰りは遊歩道を通ります。
遊歩道の名の通り、緩やかです。
急勾配の坂はありません。
表示版に偽りなし、40分で到着です。
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** 約4時間30分の釣行雑感 **
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1時間の釣行、1時間は昼食
2時間30分が
” ミ ニ 沢 登 り ” OR ” ミ ニ ボ ル ダ リ ン グ ”
の真似事ごときで時間を費やした。
” 南 北 両 精 進 ヶ 滝 ”
を拝観すると、より ” 身を清められる ” との事なので
もう大して欲も無いのですが
昨年は ” 南 精 進 ヶ 滝 ” を訪れたので
縁起を担いで
” 北 精 進 ヶ 滝 ”
行って見ました。
これで ” ワ ダ カ マ リ ” が消え
晴れ晴れした心境です。
お粗末でした。
入渓時刻・・・・・・・・・・・09時30分
退渓時刻・・・・・・・・・・・14時00分
R I S E ・・・・・・・・・・0 回合せ切れ・・・・・・・・・・・0 回
合せ仕損・・・・・・・・・・・0
バ ラ シ・・・・・・・・・・0 匹
LANDING-NET ・・・・・・・0 匹
LANDING-NET% ・・・・・・00%
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Ⅱ.渓魚の自然分布と種
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1.アマゴ・ヤマメの自然分布圏
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① ア マ ゴ
学 名 = Oncarhynchus masou ishikawae
陸封型をアマゴ
降海型はサツキマス
と命名されています。
神奈川県・酒匂川以西の太平洋側
瀬戸内海に流れ出る河川
及 び
豊後水道に流入する
大分県と福岡県の県境の岩岳川以南
大分県・別府湾に注ぐ大野川までの間
そして、四国全域です。
② ヤ マ メ
学 名 = Oncarhynchus masou masou
陸封型をヤマメ
降海型はサクラマス
と命名されています。
神奈川県・酒匂川以北
北海道全域
日本海側全域
九州は鹿児島県と
" アマゴ自然生息圏 "
を除く全域です。
因みに
鹿児島県の110年に渡る
内水面漁業協同組合史の記述には
” ヤ マ メ ”
の文字は、見当たりません。
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2. 屋久島のヤマメ
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” 屋久島安房川 ・ 小杉谷 ”
に棲息する山女は
鹿児島県水産試験場
旧大口養魚場
(1961年・昭和36年開設)
が1968 ・ 1969年に
( 昭43年 ) ( 昭和44年)
旧東京都水産試験場奥多摩分場
からヤマメ発眼卵を移入し
ふ化仔魚から養成した親魚が元の稚魚を
1971年
( 昭和46年 )
『 財団法人・淡水魚保護協会 』
( 理事長・木村英造 ・ 1994年2月解散 )
会員だった文化勲章受章者
今西 錦司 博士
の働きかけにより
放流したとの石碑が
小杉谷集落
” 旧小杉小 ・ 中学校校門跡 ”
の門柱前に
設置されております。
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3.イワナの種と自然分布圏
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① ヤ マ ト イ ワ ナ
学 名 = Salvelinus leucomaenis japonicus
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
静岡県 ・ 富士川から天竜川の間
主 に
中部山岳帯の太平洋側最上流域
及 び
滋賀県 ・ 琵琶湖東岸
に注ぐ諸河川です。
形態的特徴は
背部の白色斑点が
” 無 or 不鮮明 ”
並びに腹部に
” オレンジ色 ”
の斑点があります。
命名は 大島 正満 理学博士です。
② ニッコウイワナ
学 名 = Salvelinus leucomaenis pluvius
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
神奈川県 ・ 相模川から利根川まで
新潟県 ・ 胎内川、三面川
の ” ニッコウイワナ ” と ” アメマス ” の
混棲境界線から鳥取県までの間
及 び
滋賀県・琵琶湖西岸に注ぐ諸河川です。
形態的特徴は
背部に白色斑点
腹部に ” レモン色 ” 斑点があります。
命名は 大島 正満 理学博士です。
③ ゴ ギ
学 名 = Salvelinus leucomaenis imbrius
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
島根県の斐伊川から高津川まで
岡山県の吉井川から
広島県の太田川を経て
山口県の錦川まで
形態的特徴は
頭頂部から背部にかけて
淡色斑の ” 虫喰い模様、鯖模様 ” が存在し
腹部に ” レモン色 ” の斑点があります。
尚、大 島 正 満 博士 は ” 種 ” と認めず
ニッコウイワナ
に偏しています。
因みに広島県の
天 然 記 念 物
に指定されております。
④ キ リ ク チ
学 名 = Salvelinus japonicus Oshima
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
世界最南端に棲息し
過っては
奈良県 ・ 十津川
和歌山県 ・ 日高川、熊野川
に生息していましたが
現在は
奈良県 ・ 十津川最上流部
の1支流2谷となり
他河川においては絶滅したとのことです。
形態的特徴は
腹部に
” オレンジ色 ”
の斑点があります。
因みに奈良県の
天 然 記 念 物
に指定されております。
尚、大 島 正 満 博士 は
ヤマトイワナ
の1亜種と捉えております。
⑤ ア メ マ ス
学 名 = Salvelinus leucomaenis leucomaenis
降海型をアメマス
陸封型はエゾイワナ
と命名されています。
茨城県・那珂川以北
と
新潟県・胎内川、三面川の
ニッコウイワナとアメマス
の混棲圏以北
及 び
及 び
北海道全域です。
形態的特徴は
全体に ” 白色斑点 ” があります。
⑥ オショロコマ
学 名 = Salvelinus malma malma
陸封型をオショロコマ
降海型はオショロコマスと命名。
北海道内
に限られており
東部 = 知床半島、標津地方
中央部 = 石狩、日高山渓
西部 = 支笏、定山渓地方
及び渡島半島です。
形態的特徴は
体側に ” 赤色斑点 ” があります。
⑦ ミヤベイワナ
学 名 = Salvelinus malma miyabei
北海道
十勝管内の大雪山国立公園内
道内最高所の湖
標高810mに位置し
カルデラ湖 OR 火山性堰止湖
とも言われている
周囲13.8km、最大深度108m
冬季間は結氷する
” 然 別 湖 ”
のみに生息している
イ ワ ナ
形態的特徴は
体側に ” 赤色斑点 ” があります。
動物学者
大島 正満 博士
は新種としましたが
他の多くの学者は
” オショロコマ ”
の亜種と捉えています。
命名は1938年
大島博士が恩師である
札 幌 農 学 校
( 現在の北海道大学 )
宮部 金吾 博士
の名を学名に冠し
贈呈した由来があります。
又、北海道の
天 然 記 念 物
に指定されております。
以 上 が
” 動物学者 ・ 大島 正満 博士 ”
の学説であります。
尚、九州には
” イ ワ ナ ”
の自然分布圏は存在しません。
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Ⅲ.日本のイワナの分類
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1. 一 種 説
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1951年
魚類分類学の創始者
田中 茂穂
理学博士は日本の
イ ワ ナ
は
オショロコマ
一種とする説。
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2. 五 種 一 亜 種 説
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1961年、動物学者
大島 正満
理学博士は
オショロコマ、ミヤベイワナ、アメマス
オショロコマ、ミヤベイワナ、アメマス
ニッコウイワナ、ヤマトイワナ
の五種とし
キリクチ は ヤマトイワナ の
キリクチ は ヤマトイワナ の
亜種と唱え
” ゴ ギ ”
は種と認めず
” ニッコウイワナ ”
に偏しました。
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3. 二 種 一 亜 種 説
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1967年
霊長類学の創始者
及び
棲み分け理論で世界的に高名な
文化勲章受章者
今西 錦司
理学博士は日本の
イ ワ ナ
は
アメマス と オショロコマ
斑紋点の無色と有色の二種
ゴ ギ
を一亜種とし
他の有色斑紋点
他の有色斑紋点
ミヤベ・ニッコ ウ・ヤ マト・キリクチ
は アメマス の
地理的に連続的に変化する
” ク ラ イ ン ”
であると唱え
大島 正満 博士
の説を激しく批判しました。
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最後迄ご覧いただき
ありがとうございました。
お気づきの点がございましたら
” コ メ ン ト ”
いただければ幸いです。
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