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2011年8月6日土曜日

* * * 釜 無 川 支 流 ・ 大 武 川 源 流 域 釣 行 記 * * *



目 次                       
 Ⅰ.大 武 川
     1.武川町
     2.経 路
     3.アプローチ
 Ⅱ.宿 泊 施 設
      1、アグリーブル武川
 Ⅲ.渓魚の種と自然分布
      1.アマゴ・ヤマメの自然分布圏
        ① アマゴ
        ② ヤマメ
      2 屋久島のヤマメ
      3.イワナの自然分布圏 
 Ⅳ.日本のイワナの分類
      1.一 種 説
      2.五種一亜種説
      3.二種一亜種説  
  
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Ⅰ.大  武  川
            ( お お む か わ )

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南アルプス連峰は
山梨県・静岡県・長野県
の3県に跨る日本一の大山脈で
3000m級の峰々が連なる
” 複 層 的 ” ダイナミック ”
な山脈を形成しており
その一郭の
駒  津  峰(2740m)
仙  水  峠2264m
ア サ ヨ 峰(2799m)
栗  沢  山(2714m)
赤  薙  山(2463m)
等々の北斜面を諸水源とし
” 白州町東端 ” ” 武川町西端 ”
の境界線を凡そ17km北流し
甲州街道20号線
牧原交差点の北100m
611号線が渡る
” 釜 無 川 橋 ”
の上流間際で
” 釜 無 川 ”
に流入する支流です。
最上流5kmほどは
花崗岩の作り出す美しい
ナメ滝 ・ チョックストーン滝 ・ ヒョングリ滝
等々の ス ラ ブ
大小10数滝が出現する
” 沢 登 り 猛 者 ”
に格好の場であるようです。
尚、釜無川水系の在来渓魚の自然分布は
アマゴ ヤマトイワナ
の自然棲息圏でありましたが
現在は ヤマメ 及び ” ニッコウイワナ
アメマス の陸封型 エゾイワナ
が放流され、残念ながら
ヤ マ ト イ ワ ナ
にお目に掛かれるのは
源流域でも極めて稀であるようです。


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1.武  川  町

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南アルプスの北東麓に位置し
人口約4000人
凡そ85%が森林で占められ
甲州街道20号線
牧原交差点周辺に
町の中心部が形成されております。
然したる産業はありませんが
病害虫に弱く、作付面積が狭小で
南アルプスの滋養豊富な伏流水で育てられ
献上米として江戸城に納められた
” 幻 の 米 ・ 武 川 米 ”
は縁故米として
今でも少量生産されています。
又、牧原交差点から南へ5分ほどの
武川町山高地区
実相寺境内 ” には
日本武尊が東夷征定の折りに
この地に留まり
記念に植えた伝承されている
根回り13.5m
日本一の樹齢2000年に達すると言われる
” 山 高 神 代 桜 ”
は日本三大桜の内の1本で
国の天然記念物
に指定されており
悠久の時を超えて
毎年春に咲く桜の花々は
訪れる人々の心を魅了し続けています。
因みに他の2本は
岐阜県本巣市根尾村の淡墨公園にある
「 根尾村の淡墨桜 」
福島県田村郡三春町の
「三春町の滝桜 」
で す。

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① 経    路

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中央道 ・ 須玉インター
を降りると141号線に連なり
白州方面に右折します。

須玉 I Cより数分
” 薬師堂橋東詰交差点 ”
を左折し、20号線を目指します。

須玉ICより、約10分弱 
” 釜 無 川 橋 ”
の上からは
流れ来る ” 釜 無 川 ” の右岸に
左手側から 大 武 川 ” が合流する
様子が眺められます。

須玉ICより、凡そ10分
20号線の ” 牧原交差点 ” を直進します。

牧原交差点から数分
武川町営の むかわの湯 へ100m。
 
帰り際に
心身を癒しては如何ですか。

牧原交差点より数分
” Y 字 路 ”
を白州方面に進みます。

 須玉ICより約17分
” 大 武 川 ”
に架かる 駒城橋 ” を渡ります。

駒城(こまき)橋からの” 大 武 川 ” 上流の様子。

 駒城橋を渡り終えた直後の
土手際に佇む民家は珍しい光景です。

民家の裏手 T 字 路 ” を左折し
” 大 武 川 ”
沿いの土手を走ります。

” 駒 城 橋 ” から ” 大 武 川 ”
沿いを走ること約7分強
” T 字 交 差 路 ”
を左折します。 

須玉ICより凡そ25分
幅2m程の ” 未舗装林道 ” 入口に到着です。

林道入口の周辺は
” 篠沢大滝キャンプ場 ”
の名称で知られ
夏季には大変にぎわいます。

林道の様子です。
  
凸凹林道
を注意深く ” 5分 ” ほど徐行すると
” 篠 沢 橋 ”
に出合い、渡ります。
  
渡り終えた直後の
” 林 道 ゲート ” 
周辺のスペースに駐車します。
” 須玉 I C より凡そ30分 ”
お疲れ様でした。


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2.ア プ ロ ー チ

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               釣  行 日 ・・・・・・7月26日午前8時40分
               天      気 ・・・・・・ 晴れ          
               気      温 ・・・・・・ 26度 水温=16度
               R  O   D ・・・・・・・7.00 Foot Power = Slow   
               L I N E ・・・・・・・ Phoenix Silk 3Weight
               LEADER ・・・・・ Phoenix Braided Silk Tappered 1.50m
               TIPPET ・・・・・・・8 X                        
               標     高 ・・・・・・・ 830m                          

8時40分ゲート通過です。

8時50分、林道からの眺めです。
釜無川と似たような、長い瀬です。

工事車両の跡を下ると堰堤です。

まだ、瀬です。

左下に下りるも、マタも堰堤です。

蛇行している、ナダラカな瀬です。

9時20分、ヤット入渓です。

9時25分、最初の出会いはチビです。

左岸の瀬脇からのライズです。

9時50分、標高は900mです。

左岸の主流脇の反転流から出です。

10時5分 、相変わらず、小さいです。

大石の裏周りからです。

10時40分、小さな恋人!!


中央の緩い瀬からのライズです。
小さいので抜いちゃいました。

鋼製スリット砂防えん堤
ジャングルジムのような形のえん堤です。
流木が多い川などにつくらるようです。
此の堰堤、右岸側にはしご状の
手すりが附いています。

右岸側の急斜面を慎重に登ります。

踏み跡を探しながら、無事、林道に出ました。

林道を上りながら、次の入渓口を探します。

途中の林道脇の小さな沢のスラブ滝
スナワチ一枚岩の滝です。


左は登り、右は下り路です。
右の下りを行くことにしました。

11時15分、ナント・ナント
” ア マ ゴ ”
! ! ! ! ! 驚 き で す ! ! ! ! !

側線上に赤い点々があります。
腹部には黒点が見られます。
900mでイワナ、その上流1000mに
” あ ま ご ” とは、アラ不思議です。

大石の裏周りからのライズです。

豪快な10m程のスラブ滝です。
両岸は ” ツ ル ツ ル ” 滑りの
" 勘 五 郎 の 滝

戻りがてら、12時30分昼食にしました。
フランスパンにかぼちゃのスープ。
トーストすると香りが引き立ち
グースのパテとクリームチーズを付けました。

食後はリーフ・ティーとクッキーです。

13時40分、分岐点に戻り
上を目指します。 

踏み跡を頼りに進みます。

枯葉が厚く積もっていますので
注意・注意です。

ヘツリです。
ロープを確認しながらの歩行です。

枯れ沢のガレ場です。
慎重に・慎重に ! ! !



枯れ沢です。
写真では分かり辛いですが
手前は2m程の落ち込みです。
向かい側には切れたロープがあります。
これ以上は無理です。

橋の上からの下流です。

上流です。

16時40分、駐車場に到着です。


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** 約7時間の釣行雑感 **

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                   R I S E・・・・・・・・・ 5 回   
                  合せ切れ・・・・・・・・0    
                  合せ仕損・・・・・・・・0      
                  バ ラ シ・・・・・・・・0
                  LANDING-NET ・・・・・ 5匹    
                  LANDING-NET % ・・・100.0%              

全体的に自然観に乏しい
人工的に造られた流れかと思います。
余りにも不自然な土砂崩落を
防ぐための護岸帯
人里から遠く離れた山奥の
自然な現象が人里に
いかなる影響をもたらすのであろうか。


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Ⅱ.宿  泊  施  設

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武川真原桜並木通り沿いに佇む
” アグリーブル武川 ”
7月26日1泊宿

夕食は蕎麦定食です。
コレしかありません。
宿泊は ” コ テ ッ ジ ” です。 

朝食です。
卵はウコッケイ、サラダは蕎麦の芽


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Ⅲ.渓魚の自然分布と種

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1.アマゴ・ヤマメの自然分布圏について

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① ” ア マ ゴ ”
学  名 = Oncarhynchus masou ishikawae
陸封型をアマゴ、降海型は、サツキマスと命名されています。
神奈川県・酒匂川以西
太平洋側、瀬戸内海に流れ出る河川
及び豊後水道に流入する
大分県と福岡県の県境の岩岳川以南
大分県・別府湾に注ぐ大野川までの間
そして、四国全域です。


② ” ヤ マ メ ”
学  名 = Oncarhynchus masou masou
陸封型をヤマメ、降海型はサクラマスと命名されています。
神奈川県・酒匂川以北
北海道全域、日本海側全域
九州は鹿児島と"アマゴ自然生息圏"を除く全域です。


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2. 屋久島の ” ヤマメ ” について

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屋久島の安房川・小杉谷に棲息するヤマメは
鹿児島県水産試験場
(現・鹿児島県水産技術開発センター)
旧 大 口 養 魚 場
(1961年・昭和36年開設~1983年・昭和58年閉鎖
が1968、1969(昭43,44)年に
旧東京都水産試験場奥多摩分場
(現・東京都奥多摩さかな養殖センター)
からヤマメ発眼卵を移入し
ふ化仔魚から養成した親魚が元の稚魚を
1971年(昭和46年)
(理事長・木村英造・1994年2月解散)
『 財団法人・淡水魚保護協会 』
の会員だった文化勲章受章者
今西 錦司 博士
の働きかけにより
放流したとの石碑が小杉谷集落
旧小杉小・中学校跡の校門の門柱前に
設置されております。


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3.イワナの自然分布圏について

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① ” ヤ マ ト イ ワ ナ ”
学  名 = Salvelinus leucomaenis japonicus
陸封型のみの種で、降海型は、おりません。
静岡県・富士川から天竜川の間
主に中部山岳帯の太平洋側の最上流域
及び滋賀県・琵琶湖東岸に注ぐ諸河川です。
形態的特徴は
腹部に オレンジ の斑点があります。
命名は 大島 正満 理学博士です。


② ” ニッコウイワナ ”
学  名 = Salvelinus leucomaenis pluvius
陸封型のみの種で、降海型は、おりません。
神奈川県・相模川から利根川まで
新潟県・胎内川、三面川
ニッコウイワナアメマスの混棲境界線から
鳥取県までの間
及び滋賀県・琵琶湖西岸に注ぐ諸河川です。
形態的特徴は
腹部に レモン の斑点があります。
命名は 大島 正満 理学博士です。


③ ” ゴ  ギ ”
学  名 = Salvelinus leucomaenis imbrius
陸封型のみの種で、降海型は、おりません。
山陰では島根県の斐伊川から高津川まで
山陽では岡山県の吉井川から
広島県の太田川を経て山口県の錦川まで
形態的特徴は
頭頂部から背部にかけて
淡色斑の虫喰い模様、鯖模様が存在し
腹部に レモン の斑点があります。
尚、大 島 正 満 博士 ” 種 ”と認めず
ニッコウイワナに偏しています。
因みに、広島県の天然記念物に指定されております。


④ ” キ リ ク チ ”
学  名 = Salvelinus japonicus Oshima
陸封型のみの種で、降海型は、おりません。
過っては奈良県・十津川
和歌山県・日高川、熊野川に棲息していましたが
現在は奈良県・十津川最上流部の1支流1谷となり
他河川においては絶滅したとのことです。
形態的特徴は
腹部に オレンジ の斑点があります。
因みに、奈良県の天然記念物に指定されております。
尚、大 島 正 満 博士
ヤマトイワナの1亜種と捉えております。


⑤ ” ア メ マ ス ”
学  名 = Salvelinus leucomaenis leucomaenis
降海型をアメマス、陸封型は、エゾイワナと命名されています。
  茨城県・那珂川以北と新潟県・胎内川、三面川の
ニッコウイワナアメマスの混棲圏以北
及び北海道全域です。
形態
体側に ” 白色斑点 ” があります。


⑥ ” オショロコマ ”
学  名 = Salvelinus malma malma
陸封型をオショロコマ降海型はオショロコマスと命名。
北海道内に限られており
東部・知床半島、標津地方、中央部・石狩、日高山渓
西部・支笏、定山渓地方及び渡島半島です。
形態的特徴は
体側に があります。


⑦ ” ミヤベイワナ ”
学 名 = Salvelinus malma miyabei
北海道、十勝管内の大雪山国立公園内にあり
道内最高所の湖、標高810mに位置し
カルデラ湖 OR 火山性堰止湖とも言われている
周囲13.8km、最大深度108m
冬季間は結氷する
この 然別湖 ” のみに棲息しているイワナです。
形態的特徴は
体側に 赤色斑点 があります。
動物学者 大島 正満 博士
然別湖のみに生息するイワナを新種としましたが
他の多くの学者はオショロコマの亜種と捉えています。
命名は1938年新種として大島博士が恩師である
札幌農学校( 現在の北海道大学 )の
宮部 金吾 博士 の名を学名に冠し
贈呈した由来があります。
又、北海道の天然記念物に指定されております。

以上が、動物学者 ” 大島 正満 博士 ” の学説であります。
尚、九州には ” イワナ ” の自然分布圏は存在しません



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Ⅳ.日本のイワナの分類

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1. ” 一 種 説 ”

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1951年、魚類分類学の創始者
田中 茂穂 理学博士は
日本のイワナオショロコマ一種とする説。


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2.  ” 五種一亜種説 ”

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1961年、動物学者 大島 正満 理学博士は
オショロコマ、ミヤベイワナ、アメマス
ニッコウイワナ、ヤマトイワナ
の五種とし
キリクチ ヤマトイワナ の亜種と唱える。 
ゴ ギ は種と認めず ニッコウイワナ に偏しました。


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3. ” 二 種 一 亜 種 説 ”

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1967年、霊長類学の創始者及び棲み分け理論で
世界的に高名な
文化勲章受章者 今西 錦司 理学博士は
日本のイワナ
アメマス オショロコマ
斑紋点の無色と有色の二種
ゴ ギ を一亜種とし
他の有色斑紋点
ミヤベ・ニッコ ウ・ヤ マト・キリクチ
アメマスノの地理的に連続的に変化する
” クライン ” であると唱え
大島 正満 博士 の説を激しく批判しました。




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最後迄ご覧いただき
ありがとうございます。
お気づきの点がございましたら
” コ メ ン ト ”
など、いただければ幸いです。

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