ラベル No-38=2012-09-釜無川支流 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル No-38=2012-09-釜無川支流 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2012年9月19日水曜日

*** 釜無川支流 ・黒 川 &中 ノ 川 彷 徨 記 ***



目 次

 Ⅰ.釜 無 川
     Ⅰ-1.中ノ川
     Ⅰ-2.黒 川
    1.ゲートへの 経 路
          2.渓へのアプローチ
          3.ホテル・スパティオ小渕沢 
 Ⅱ.渓魚の種と自然分布
     1.アマゴ・ヤマメの自然分布圏
       ① アマゴ
       ② ヤマメ
     2 屋久島のヤマメ
     3.イワナの自然分布圏 
 Ⅲ.日本のイワナの分類
=================================

Ⅰ.釜  無  川

=================================

南アルプスの北端
鋸岳(2685m) 横岳(2142m) 鳥帽子(2533m)等  
を諸水源に、長野・山梨県境を北流し
長野県富士見町落合で 
八ヶ岳山麓から流れ出す10数本の支流を集めた
立場川と合流、屈曲し
甲州街道20号線に沿うように
流路を南東に変え、国境橋で山梨県内に入り
甲府市内の南東
市川大門で笛吹川と合流する間の
約 64Km が 釜 無 川 であります。
以降は日本三大急流の一河川
(熊本県=球磨川、山形県=最上川)
富 士 川
と名を変え、64km余を経て駿河湾に注ぎます。
(河川法上は釜無川を含めた全長128kmが富士川です。)

元来 富 士 川 水系の 在 来 渓 魚 ”
アマゴ ” と ” ヤマトイワナ
の自然棲息圏でありましたが
現在は ” ヤマメ ” 及び ” ニッコウイワナ
アメマス の陸封型 エゾイワナ
も放流され、残念ながら
ヤマトイワナ ”
にお目に掛かれるのは
源流域の支流、小沢でも極めて稀であるようです。


=====================================

Ⅰ-1. 中 ノ 川 

======================================

釜無川右岸側、山梨県北杜市に偏し
上流からの最初の支流であり
” 鋸 岳 (2685メートル)
を主水源とし、およそ4km下り
” 横岳 (2142メートル)
を主水源とする3km程の釜無川と
釜無川工事用道路 ”
の始点から約6km登った地点で合流します。
中ノ川の方が
1kmほど長く、水量も多いようですが
支流となります。

=====================================

Ⅰ-2. 黒 川 

======================================

黒 川 出 合
2015 年 5 月 29 日 時 点

================================================= 

”  国土交通省 ”
自慢の” 無駄という名のダム ” が出来
黒川への侵入が出来ません。

================================================================================

釜無川右岸側、山梨県北杜市に属し
上流から2番目の支流で
” 大 岩 山 (2319m)
を主水源とし、おおよそ3kmの流程で
” 釜無川工事用道路 ”
の始点から約4km登った地点で合流します。
因みに、両支流共に上流部は
様々な ” スラブ滝 ” が出現し
それはそれは ” 壮大なる景観 ” の様ですが
沢登りの装備と野宿が必須のようです。


=====================================

1. 経   路 

======================================

 小淵沢ICを降り
左折し ” 20号線 ” に向かいます。

小淵沢ICより5分余
20号線の ” 下蔦木交差点 ” を諏訪方面に
右折し ” 武智温泉 ” を目指します。 

20号線 ” 下蔦木交差点 ” から約5分
”たけち温泉”の表示看板に従い左折し
およそ10分を要し
” 釜無川工事用道路始点 ”
に向かいます。
因みに 武智温泉 ”
現在、休業中のようです。

この10分ほどの区間には
山を崩し砂・砂利の採取
或いは、石を粉砕し、砂・砂利を
生産する工場が4社ほどあります。

それ故に
工場から排出する粉塵は
道路に積もると共に
ダンプカーの通行も頻繁にあり
その度ごとに
細かい白い石の粉が舞い上がります。

道路わきの木々や雑草は
細かい石の白い粉に塗れています。

小淵沢ICから20分余
道路脇の駐車スペースに到着です。
なんとなく、咽るような空気感です。
路面は粉を撒き散らした様な状態で
歩くごとに粉が舞い上がります。

 ============================================

2.渓 へ の ア プ ロ ー チ

============================================

 駐車場所から5分先の
最終 ” 採石粉砕工場 ” です。

最終採石粉砕工場の30m先に
工事用ゲートがあります。
ゲートに守衛が居る時は
左側の工場内通路から川に入ります。

駐車場所から約5分で
工事関係者出入口ゲートに着きます。
ここには通常 ” 監 視 員 ” が滞在しており
「 山崩れが至る所にあり工事中であり
ダンプカーも頻繁に通り
危険だから一般者は、通すことは出来ない。
これが私の仕事であると 」
強く通り抜けを拒否されますが
「 川から入るのは私の仕事外だ 」
親切にも示唆してくれます。
そんな時は
”ガードマンの仕事に対する熱心さを尊重し”
素直に前の写真の
工場内通路から一度、川に入り
工事用道路に出ましょう。
予測で8時50分ゲート通過。

1kmの標識まで、こんな様子です。

始点から1kmの地点です。

空がキレイデス!!! 
始点から2km地点の光景です。


 ============================================

黒 川 出 合
2015 年 5 月 29 日 時 点

================================================= 

”  国土交通省 ”
自慢の” 無駄という名のダム ” が出来
黒川への侵入が出来ません。

================================================================================

始点から4km、気温26度、約1時間
黒川と釜無川の合流地点に到着です。
左側のコンテナが工事入り口の事務棟です。
30~40m、一気に流れ下る滑り台
あ~!?!? 

コンテナ事務棟の前を通り抜けようとしたら
「 だめ・ダメ、通れないよ 」
懇願したが拒否されました。
この川を目指して
炎天下を1時間余も歩いてきたのに!!!

帰り際に無人の事務棟を確認し
60mほど侵入しました。

失望落胆の中、気を取り直し
中 ノ 川 ”
を目指すことにしました。
黒川出合から50m先に4kmの標識。
2km先か~!!!中ノ川!!!

黒川出会いから10分
心地良い風が、心と体を癒してくれる。
汗ビッショリのシャツを捲り上げ
” ビ キ ニ ・ パ ン ツ  ”
もずり下げての一休み
!!!快 感!!!

4km先の光景。

ゲートを8時50分に通過し
10時30分、5.5km付近から入渓
中ノ川を目指します。

    釣 行 日 ・・・・・・・ 9月13日午前10時30分
      天   気 ・・・・・・・ 快  晴
      気   温 ・・・・・・・ 26度 水温=16度 
      R  O  D ・・・・・・・・ 6.00 Foot Power = Slow   
      L I N E ・・・・・・・・ Phoenix Silk 3Weight
         LEADER ・・・・・・ Phoenix Braided Silk Tappered 1.50m
      TIPPET ・・・・・・・ 8 X
      標   高 ・・・・・・・1200m

10時35分、標高1200m
ニッコウ・イワナです。
小さくても、勢いの良いライズでした。

左岸側、主流脇からのライズです。 

大石が ” ゴーロゴロ ” しています。
期待が持てそうな雰囲気です。

11時00分
又も小さな恋人、ニッコウ・イワナです。 

中央の石裏からです。 
  

橋を潜った直後の右岸側から
中ノ川が流れ落ち込みます。

右岸側が中ノ川
左岸側が本流の釜無川です。 

合流地点の中ノ川の様子です。

本流よりも水量が多く
渓魚も住みやすい様な気がし
期待が持てそうです。

合流地点から20分ほど
右岸側は断崖絶壁、深い淵
左岸側から僅かな凹みを頼りに
角度の無い岩を這いつくばって越えます。 

必死になって越えた先に見たのは
あ~~~!
連続して深い淵と急斜面と絶壁です。

右岸側の急斜面を見やると
!! ロープ ??
片手に ロッド 片方に ロープ ”
一見、越えられそうですが
写真より カナリ ” 長い急斜面で
片手では体重を支えられません。
無理して越えても???
帰りを考慮し
11時45分、勇気ある撤退です。

12時10分、合流地点で昼食です。
目指した 黒 川 ” は拒否され
代替案の 中ノ川 ” には押し戻され
悶々として食事が進まず。

” 中ノ川 ” 出合から本流筋は ” 本 谷
と名称が変わり
その50m先は2段の堰堤である。 
思案の挙句、本流筋を目指すことにし
橋の袂から工事用道路に出ることにしました。

なだらかな斜面を登り切ったところに
” 中ノ川工事用道路始点 ”
の表示板が目に入り
急遽、闇雲に 中ノ川 ” に向かうことに。

炎天下に緩やかな坂を登る。  

見下ろすと工事用道路が
随分と高くまで来たもんだ。

右側には、様々な崩落防止の工作物。 

左側は急斜面
遥か眼下には ” 釜無川 ” 見えます。

1.5km地点の切り通し
近いかも ” の期待が膨らむ。 

切り通しを過ぎれば下り坂!?
”中ノ川”に出られると思ったが
まだまだ登り坂が見え続く。
始点から25分弱
13時20分、日陰で一服。
一休みしながら、気が錯綜するも
冷静に帰路を考えたら意気消沈
3度目の撤退である。 

13時40分、改めて本流筋を目指します。  

中ノ川工事用道路始点と釜無川工事用道路
の分岐点辺りが ゲート” より6km地点であるらしい。
6.5kmの標識
おおよそ1km15分程
分岐点から8分弱であった。

工事中のたて看板
良かならぬ予感。

2基目の堰堤 

2基目の堰堤から入渓しようとしたら
たまたま工事関係者の車が通り
山を崩しており、危険だから
その上から入るように指示されました。

中央上部の豆粒大の物体は??
キャタビラ附き小型削岩機で
頂上付近の木にワイヤーを縛り
自走しながらワイヤーを巻き取り登るそうです。
崩れし易い所を崩していました。

係員が無線で
「歩行者あり、一時中止」
の指示で通り過ごしました。
確かに、削岩機が稼動している時は
大小の石が急斜面を転げ落ち
川にまで届いていました。

14時20分
4基目の堰堤から入渓 。


水量が少なく、小砂利が多く
石周りは隙間が無く
埋め尽くされています。 


14時40分
僅か20分で堰堤です。

左岸側の滑り易い
ガレ場を登り、道路に出ます。

5基目の堰堤です。 



6基目の堰堤 
ゲートより約8.5km。

小砂利の上を流れている小川の態です。
此処まで川底は、ほとんど小砂利で埋め尽くされ
川虫のいそうな雰囲気ではありません。

15時20分
帰路に就きました。

17時30分
駐車場所に到着です。
粉塵で真っ白です。


 =============================================

** 約1時間35分の釣行雑感 **

==============================================


8時50分にゲート通過
17時30分駐車場に到着
8時間40分の滞留
釣行時間1時間30分
昼食時間40分
残り6時間10分
総歩行距離おおよそ22km
?! 渓魚の誘惑 or 渓流の誘惑か !?
何とも考え深い彷徨える1日であった。

=========================================
尚、お役に立ちましたならば
画面、最上部
目次の横の広告を無差別に
” ク リ ッ ク ”
していただければ
幸いです。

 =============================================
  
3.ホテル・スパティオ小渕沢

詳細は下記にアクセスください。

==============================================

小淵沢ICを降り
右折して4分ほど直進 
道の駅の敷地内にあります。

平屋の宿泊棟です。

こちらの平屋は
日帰り温泉 延命の湯” です。
昨夜は広い駐車場が満杯で
定期便バスも運行されており
賑わっていました。



===========================================================

*** Ⅱ.渓魚の自然分布と種 ***

==========================================================

1.アマゴ・ヤマメの自然分布圏

=====================================================

① ” ア マ ゴ ”
学  名 = Oncarhynchus masou ishikawae
陸封型をアマゴ、降海型はサツキマス、と命名されています。
神奈川県・酒匂川以西
太平洋側、瀬戸内海に流れ出る河川
及び豊後水道に流入する
大分県と福岡県の県境の岩岳川以南
大分県・別府湾に注ぐ大野川までの間
そして、四国全域です。

② ” ヤ マ メ ”
学  名 = Oncarhynchus masou masou
陸封型をヤマメ、降海型はサクラマス、と命名されています。
神奈川県・酒匂川以北
北海道全域、日本海側全域
九州は鹿児島県と
" アマゴ自然生息圏 "
を除く全域です。

==============================================

2. 屋久島の ” ヤマメ ” について

==============================================

屋久島の安房川・小杉谷に棲息する山女は
鹿児島県水産試験場
旧大口養魚場
(1961年・昭和36年開設)
が1968,1969(昭43,44)年に
旧東京都水産試験場奥多摩分場
からヤマメ発眼卵を移入し
ふ化仔魚から養成した親魚が元の稚魚を
1971年(昭和46年)
(理事長・木村英造・1994年2月解散
『 財団法人・淡水魚保護協会 』
の会員だった文化勲章受章者
今西 錦司 博士
の働きかけにより
放流したとの石碑が
小杉谷集落
旧小杉小・中学校跡の校門の門柱前に
設置されております。



==================================================

3.イワナの種と自然分布圏

=================================================

① ” ヤ マ ト イ ワ ナ ”
学  名 = Salvelinus leucomaenis japonicus
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
静岡県・富士川から天竜川の間
主に中部山岳帯の太平洋側の最上流域
及び滋賀県・琵琶湖東岸に注ぐ諸河川です。
形態的特徴は
腹部に オレンジの斑点があります。
命名は 大島 正満 理学博士です。


② ” ニッコウイワナ ”
学  名 = Salvelinus leucomaenis pluvius
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
神奈川県・相模川から利根川まで
新潟県・胎内川、三面川
ニッコウイワナアメマスの混棲境界線から
鳥取県までの間
及び滋賀県・琵琶湖西岸に注ぐ諸河川です。
形態的特徴は
腹部に レモン の斑点があります。
命名は 大島 正満 理学博士です。


③ ” ゴ  ギ ”
学  名 = Salvelinus leucomaenis imbrius
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
山陰では島根県の斐伊川から高津川まで
山陽では岡山県の吉井川から
広島県の太田川を経て、山口県の錦川まで
形態的特徴は
頭頂部から背部にかけて
淡色斑の虫喰い模様、鯖模様が存在し
腹部に レモン の斑点があります。
尚、大 島 正 満 博士 ” 種 ” と認めず
ニッコウイワナに偏しています。
因みに
広島県の天然記念物に指定されております。


④ ” キ リ ク チ ”
学  名 = Salvelinus japonicus Oshima
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
過っては奈良県・十津川
和歌山県・日高川、熊野川に生息していましたが
現在は奈良県・十津川最上流部の1支流1谷となり
他河川においては絶滅したとのことです。
形態的特徴は
腹部に オレンジ の斑点があります。
因みに
奈良県の天然記念物に指定されております。
尚、大 島 正 満 博士
ヤマトイワナの1亜種と捉えております。


⑤ ” ア メ マ ス ”
学  名 = Salvelinus leucomaenis leucomaenis
降海型をアメマス、陸封型はエゾイワナ
と命名されています。
  茨城県・那珂川以北と新潟県・胎内川、三面川の
ニッコウイワナアメマスの混棲圏以北
及び北海道全域です。
形態的特徴は
体側に ” 白色斑点 ” があります。


⑥ ” オショロコマ ”
学  名 = Salvelinus malma malma
陸封型をオショロコマ
降海型はオショロコマスと命名。
北海道内に限られており
東部=知床半島、標津地方
中央部=石狩、日高山渓
西部=支笏、定山渓地方
及び渡島半島です。
形態的特徴は
体側に があります。


⑦ ” ミヤベイワナ ”
学 名 = Salvelinus malma miyabei
北海道、十勝管内の大雪山国立公園内にあり
道内最高所の湖、標高810mに位置し
カルデラ湖 OR 火山性堰止湖とも言われている
周囲13.8km、最大深度108m
冬季間は結氷する
この 然別湖 ” のみに生息しているイワナです。
形態的特徴は
体側に があります。
動物学者 大島 正満 博士
然別湖のみに生息するイワナを新種としましたが
他の多くの学者はオショロコマの亜種と捉えています。
命名は1938年新種として大島博士が恩師である
札幌農学校( 現在の北海道大学 )の
宮部 金吾 博士
の名を学名に冠し、贈呈した由来があります。
又、北海道の天然記念物に指定されております。


以上が、動物学者 ” 大島 正満 博士 ” の学説であります。
尚、九州には ” イワナ ” の自然分布圏は存在しません


==============================================

Ⅲ.日本のイワナの分類

===============================================

1.” 一 種 説 ”

===========================================================

1951年、魚類分類学の創始者
田中 茂穂 理学博士は
日本のイワナオショロコマ一種とする説。


==================================================

2. ” 五 種 一 亜 種 説 ”

============================================================


1961年、動物学者 大島 正満 理学博士は
オショロコマ、ミヤベイワナ、アメマス
ニッコウイワナ、ヤマトイワナ
の五種とし
キリクチ ヤマトイワナ の亜種と唱える。 
ゴ ギ は種と認めず ニッコウイワナ に偏しました。

===================================================

3.” 二 種 一 亜 種 説 ”

==============================================================


1967年、霊長類学の創始者及び棲み分け理論で
世界的に高名な
文化勲章受章者 今西 錦司 理学博士は
日本のイワナ
アメマス オショロコマ
斑紋点の無色と有色の二種 ゴ ギ を一亜種とし
他の有色斑紋点、ミヤベ・ニッコ ウ・ヤ マト・キリクチ
アメマスノの地理的に連続的に変化する
” クライン ” であると唱え
大島 正満 博士 の説を激しく批判しました。

=======================================

最後迄ご覧いただき
ありがとうございます。
お気づきの点がございましたら
” コ メ ン ト ”
など、いただければ幸いです。

*************************************************
*************************************************************