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2013年6月5日水曜日

*** Jun-2013;世附川支流・大又沢源流域 釣行記 ***

 目 次
 Ⅰ.丹沢湖
               1.酒匂川水系の在来渓魚
               2.丹沢山塊
 Ⅱ.大又沢
               1.世附川
               2.経 路
               3.アプローチ
               4.入 渓
    Ⅲ.渓魚の種と自然分布
               1.アマゴ・ヤマメの自然分布圏
                      ① アマゴ
                      ② ヤマメ
               2.屋久島のヤマメ
               3.イワナの自然分布圏 
  Ⅳ.日本のイワナの分類

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Ⅰ. 丹 沢 湖

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1969年
事業者の神奈川県は酒匂川流域の
洪水調節、県全域の上水道、水力発電
等々の多目的ダムの建設計画を実施し
1978年
水没する三保村住民の要望を受け入れ
” 三 保 ダ ム ”
と命名し10年を経て完成に至りました。
この三保ダムは
丹沢山塊を水源とする
東の玄倉川、西の世附川、北の中川川
の各方面から流入する上記
” 三 河 川 ”
水量で貯水せられることを鑑み
神奈川県は
この人造湖を 丹 沢 湖 と命名しました。
過っては ” 永歳橋 ” 辺りで
上述の三河川が合流した地点から
” 河 内 川 ”
と呼称しておりましたが
現在は三保ダムから流れ出
” 県道76号線 ”
に沿うように流れ
” 国道246号線 ”
と交わる
” 清 水 橋 交 差 点 ”
の上り車線30m先の清水橋下で
” 鮎 沢 川 ”
と合流する地点までの
5.5kmを ” 河 内 川 ” と称し
以降は ” 酒 匂 川 ” と名称され
約25kmを経て 相 模 湾 ” に流れ入ります。

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1.酒匂川水系の在来渓魚

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 ” ア マ ゴ ”
自然分布の北限と言われ
その生息圏に
” ヤ マ メ ”
生存は皆無が定説ですが
唯一在来種
  ヤ マ メ ”
が混棲する特異な元来河川です。
しかし ” イ ワ ナ ” 在来種
記録に無いにも関わらず
過っては
 ” ニッコウイワナ ”
が放流されていましたが
” 最 近 は ”
元来の自然形態に戻すべく
放流を控えているようです。
神奈川県内は
” 3月1日~10月14日 ”
迄が渓魚の遊漁期間です。
  
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2. 丹 沢 山 塊

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東西40Km、南北20Km
ほぼ全域が 神奈川県 ・北西部 ” に広がる山地で
50~60以上の諸山で形成されており
最高峰の 蛭ヶ岳 ” でも標高は ” 1673m ” であるが
幾山が重なり合い複雑な地形を成す
標高的には中級山岳帯であります。
また 東海自然歩道 ” として良く整備されており
首都圏からも近く、車で標高500mほどからの
余裕のある日帰り気楽な軽登山として
四季折々の山趣を楽しめる故に
年配者に人気の山々でもあります。
尚、丹沢山地の大部分は山岳公園として
沢大山国定公園 ”
神奈川県立丹沢大山自然公園 ”
に指定されております。

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Ⅱ. 大 又 沢

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” 丹 沢 山 塊 ”
西 端
” 山 梨 県 ・ 神 奈 川 県 ”
( 甲 州 国 )        ( 相 模 国 )
県境を沿うように連なる
” 甲 相 国 境 尾 根 ”
中央に位置する
菰 釣 山 ”
             ( 1379m)          
を主水源とし
周 辺 の
” 大界木山 ・ 城ヶ尾山 ・ 屏風岩山”
                                                ( 1246m )       ( 1199m )        ( 1051m )
等々の諸山を源水とする
いくつもの支流を集め
凡そ ” 8km ” 南流し
” 浅 瀬 橋 ” の真下で 世 附 川
に流れ込む支流です。

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.世 附 川

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” 山 梨 県 ・ 神 奈 川 県 ”
( 甲 州 国 )     ( 相 模 国 )
県境を沿うように連なる
丹沢山塊西端
” 甲 相 国 境 尾 根 ”
中央の 菰 釣 山 1379m ” を主水源に
三国山 ・ 大棚ノ頭 ・  西の丸 ・ 畦ヶ丸
        ( 1343m )         ( 1268m )           ( 1297m )     ( 1293m )          
等々の諸山の沢水を集め
凡そ12kmを下り
 ” 丹 沢 湖 ”
に流れ込む
 ” 河 内 川  ”
の一大支流に当りますが
本流筋は ” 中川川 ” の様です。
   
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2. 経  路 

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東名高速・用賀インターから、およそ35分
大井松田で降り、直ぐの三叉路の右端
山北・秦野方面を通ります。

接続している255号線に進入後
直ぐに246号線に突き当り
沼津・御殿場方面へ向かいます。

大井松田ICより25分弱
左側の ” 丹沢湖・中川温の看板のある
” 清水橋 交差点 ”
を右折し一路、丹沢湖を目指します。

丹沢湖に架かる永歳橋。

青木橋交差点より5~6分
永歳橋を渡った直後の標識に従い
左折し、浅瀬ゲートを目指します。 

5分ほど直進しますと、山北町営の日帰り温泉
” ぶ な の 湯 ”
この周辺が 中川温泉街 ” で7軒ほどの旅館があります。

” 武田信玄の隠し湯 ”
と言われている温泉で
心と体を帰り際に癒しては如何ですか。

” 永 歳 橋 ” より5分ほど
” 大 井 松 田 I C ” から35分強で
浅瀬ゲート前の
駐車場所に到着します。

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2. ア プ ロ ー チ

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” 大 又  沢 ダ ム ”
 より上流の紹介です。

駐車場所から30mほどに
浅瀬ゲートです。
左側に見えるのが ” 世 附 川 ” です。 

ゲートより5分ほどで浅瀬橋です。
 この橋の真下で ” 大又沢 ” ” 世附川 ” に流れ込みます。

左に向かうと ” 世 附 川 ”
右に進み ” 大 又 沢 ダ ム ” を目指します。

浅瀬橋から約5分 ” 大 又 沢 ” の様子
上流で取水され僅かな流れです。 

林道は未舗装ですが踏み固められており
斜度が小さく、平坦地を歩いているような感覚です。

世附橋から20分ほどでの渓の様子
渓魚には不向きの止水状態
白波も無く ” ゆったり ” と流れる浅瀬です。

気温24度
日影になったり、陽が射したりの林道を30分ほど歩き
すでに、下着・シャツ一面は汗を吸い取り 
びしょ濡れ状態。
心地良い木陰の下の冷気で一休みです。


2010年9月の集中豪雨の大型台風により
” 世 附 川 ” と同じく林道が侵食され
復旧された真新しいコンクリートの護岸壁。

浅瀬橋より休憩時間10分を除くと
実質約40分、法行沢に到着です。
隘路の渓は好みであるが、次回の楽しみとします。

法行沢橋の袂に立つ案内板。
???? 何 ゆ え に ????

右手の登り坂は?

登り坂間際の標識
 大 又 沢 林 道 ”
の前後には、枯れ沢は見当たらないが・・・・。


集中豪雨により枯れ沢が雨水を集め激流となり
林道を侵食したようである。
 左側の堰堤に仮設通路を登り渡る。

浅瀬橋より実質55分
ゲートより60分 ” 大又沢ダム ” に到着です。
距離は1Km15分とすると、4Km位でしょうか。



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4. 大 又 沢 入 渓

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          釣 行 日・・・・・・・・・・6月05日午前10時00分
          天   気・・・・・・・・・ 快 晴
          気   温・・・・・・・・・ 24度 水温=16度
          R O D・・・・・・・・・ 6.00 Foot  Power = Slow
            L  I  N E・・・・・・・・・・ Phoenix Silk 3Weight
          LEADER ・・・・・・・・・ Phoenix Braided Silk 150cm
          TIPPET ・・・・・・ 9 X
          標   高 ・・・・・・・・・・・ 520m


10時00分、標高520m
大又沢ダムへの流入口から入渓です。 


気温は24度、前方は澄み切った青空。
清々しい風に触れての遡行です。


平瀬の続く遡行は苦手である。


” ナイス・スポット ”  慎重に ” アプローチ ”
するが留守のようです。


11時00分、入渓後1時間
” ち ど り 橋 ”
の下を潜ります。


落ち込みは、この程度です。
落差が小さいので川底を侵食できず、淵は無い。


沈み石や大石周りを探っていきます。


12時00分、昼食です。
フランスパン・生ソーセージ・サラダ菜・クリームシチュウ






食後のリーフ・ティーとお菓子


規模の小さいゴーロが出現!!!!


水中や河原には、浮き石が多いので気をつけましょう。




最初に出会う堰堤
左岸側から容易に林道に出られ越えます。


堰堤を越えたら、水中の石が多くなり楽しみです。


14時45分、標高600m
小さな恋人です。


中央の沈み大石の裏からです。






15時10分、標高600m
フッキング ”
したら頭の上を越えていきました。


中央の茶色く見える沈み石周りからのライズです。




15時25分、標高620m
右岸側 ” 水 抜 沢 ” との出合です。
左岸側は 地 蔵 平 ” に向かいます。
此処で出渓です。
左岸側の低い斜度を登り容易に林道に出られます。
次回はこの先を紹介したいと思います。


休憩後、15時40分
林道を下ります。


林道は、落石が多く荒れており
注意しながら進みましょう。


途中に1箇所、崩落で林道を塞いでいますが
小さいので、難なく越せます。


16時05分 ” ち ど り 橋 ” に到着です。
林道に出てから25分
距離は2Kmぐらいでしょうか。

ちどり橋の上流側


下流側の様子です。




16時15分、大又沢ダムに到着です。
休憩後、16時23分
浅瀬のゲートに一気に向かうゾー。


17時12分 浅 瀬 橋 ” が見え
” ほ っ と ”
し、気力が抜けた瞬間です。


17時20分、無事、駐車場所に到着です。
ご苦労様です。
大又沢ダムまで、行きの登りは60分
帰りは、下りでも57分
大差の無い平坦な林道であるが
出渓後、60分余りの歩行は、難儀だ。

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5時間25分の雑感

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浅瀬のゲートから大又沢ダムまでは、およそ60分
距離は1Km15分と換算すると約4Km
浅瀬ゲートの川面の標高が450m、大又沢ダム湖の標高は520m
標高差70mを4000m歩行して辿りつくことになる。
1mの高さを登るのに57mを歩行する
真に緩やかな平坦地を歩く感覚の林道です。
それ故に、林道に沿う川の流れも同じで
落ち込みは短く、少なく、淵はほとんど出現しない
延々と平瀬が続く渓流です。
時々に大石が密集した間を流れる箇所があるが極めて短い。
スポットは少なく、アプローチの難しい渓である気がします。

     入渓時刻・・・・・・・・・・・ 10時00分
     退渓時刻・・・・・・・・・・・ 15時25分
     R  I  S  E・・・・・・・・・・・ 4  回
     合せ切れ・・・・・・・・・・・ 1 回   
     合せ仕損・・・・・・・・・・・ 0
     バ ラ シ・・・・・・・・・・ 1 匹      
     LANDING-NET・・・・・・・・ 2 匹    
     LANDING-NET% ・・・・・・・50%


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Ⅲ.渓魚の自然分布と種

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1.アマゴ・ヤマメの自然分布圏

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①  ア マ ゴ
学 名 = Oncarhynchus masou ishikawae
陸封型をアマゴ
降海型はサツキマス
と命名されています。
神奈川県・酒匂川以西の太平洋側
瀬戸内海に流れ出る河川
及 び
豊後水道に流入する
大分県と福岡県の県境の岩岳川以南
大分県・別府湾に注ぐ大野川までの間
そして、四国全域です。

②  ヤ マ メ
学 名 = Oncarhynchus masou masou
陸封型をヤマメ
降海型はサクラマス
と命名されています。
神奈川県・酒匂川以北
北海道全域
日本海側全域
九州は鹿児島県と
" アマゴ自然生息圏 "
を除く全域です。
因みに
鹿児島県の110年に渡る
内水面漁業協同組合史の記述には
” ヤ マ メ ”
の文字は、見当たりません。

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2. 屋久島のヤマメ

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” 屋久島安房川 ・ 小杉谷 ”
に棲息する山女は
鹿児島県水産試験場
旧大口養魚場
(1961年・昭和36年開設)
が1968 ・ 1969年に
( 昭43年 )  ( 昭和44年)
旧東京都水産試験場奥多摩分場
からヤマメ発眼卵を移入し
ふ化仔魚から養成した親魚が元の稚魚を
1971年
( 昭和46年 )
『 財団法人・淡水魚保護協会 』
( 理事長・木村英造 ・ 1994年2月解散
会員だった文化勲章受章者
今西 錦司 博士
の働きかけにより
放流したとの石碑が
小杉谷集落
” 旧小杉小 ・ 中学校校門跡 ”
の門柱前に
設置されております。

  
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3.イワナの種と自然分布圏

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① ヤ マ ト イ ワ ナ
学 名 = Salvelinus leucomaenis japonicus
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
静岡県 ・ 富士川から天竜川の間
主 に
中部山岳帯の太平洋側最上流域
及 び
滋賀県 ・ 琵琶湖東岸
に注ぐ諸河川です。
形態的特徴は
背部の白色斑点が
” 無  or  不鮮明 ”
並びに腹部に
 オレンジ
の斑点があります。
命名は 大島 正満 理学博士です。

② ニッコウイワナ
学 名 = Salvelinus leucomaenis pluvius
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
神奈川県 ・ 相模川から利根川まで
新潟県 ・ 胎内川、三面川
の  ニッコウイワナ ” アメマス ”
混棲境界線から鳥取県までの間
及 び
滋賀県・琵琶湖西岸に注ぐ諸河川です。
形態的特徴は
背部に白色斑点
腹部に レモン 斑点があります。
命名は 大島 正満 理学博士です。

③ ゴ  ギ
学 名 = Salvelinus leucomaenis imbrius
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
島根県の斐伊川から高津川まで
岡山県の吉井川から
広島県の太田川を経て
山口県の錦川まで
形態的特徴は
頭頂部から背部にかけて
淡色斑の ” 虫喰い模様、鯖模様 ” が存在し
腹部に レモン の斑点があります。
尚、大 島 正 満 博士 ” 種 ” と認めず
ニッコウイワナ
に偏しています。
因みに広島県の
天 然 記 念 物
に指定されております。

④ キ リ ク チ
学 名 = Salvelinus japonicus Oshima
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
世界最南端に棲息し
過っては
奈良県 ・ 十津川
和歌山県 ・ 日高川、熊野川
に生息していましたが
現在は
奈良県 ・ 十津川最上流部
の1支流2谷となり
他河川においては絶滅したとのことです。
形態的特徴は
腹部に
オレンジ
の斑点があります。
因みに奈良県の
天 然 記 念 物
に指定されております。
尚、大 島 正 満 博士
ヤマトイワナ
の1亜種と捉えております。

⑤ ア メ マ ス
学 名 = Salvelinus leucomaenis leucomaenis
降海型をアメマス
陸封型はエゾイワナ
と命名されています。
茨城県・那珂川以北
新潟県・胎内川、三面川の
ニッコウイワナアメマス
の混棲圏以北
及 び
北海道全域です。
形態的特徴は
全体に ” 白色斑点 ” があります。

⑥ オショロコマ
学 名 = Salvelinus malma malma
陸封型をオショロコマ
降海型はオショロコマスと命名。
北海道内
に限られており
東部 = 知床半島、標津地方
中央部 = 石狩、日高山渓
西部 = 支笏、定山渓地方
及び渡島半島です。
形態的特徴は
体側に があります。

⑦ ミヤベイワナ
学 名 = Salvelinus malma miyabei
北海道
十勝管内の大雪山国立公園内
道内最高所の湖
標高810mに位置し
カルデラ湖 OR 火山性堰止湖
とも言われている
周囲13.8km、最大深度108m
冬季間は結氷する
然 別 湖 ”
のみに生息している
イ ワ ナ
形態的特徴は
体側に があります。
動物学者
大島 正満 博士
新種としましたが
他の多くの学者は
” オショロコマ ”
の亜種と捉えています。
命名は1938年
大島博士が恩師である
札 幌 農 学 校
( 現在の北海道大学 )
宮部 金吾 博士
の名を学名に冠し
贈呈した由来があります。
又、北海道の
天 然 記 念 物
に指定されております。
以 上 が
” 動物学者 ・ 大島 正満 博士 ”
の学説であります。
尚、九州には
 ” イ ワ ナ ”
の自然分布圏は存在しません。

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Ⅳ.日本のイワナの分類

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1. 一   種   説

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1951年
魚類分類学の創始者
田中 茂穂
理学博士は日本の
イ ワ ナ
オショロコマ
一種とする説。

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2. 五  種  一  亜  種  説

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1961年、動物学者
大島 正満
理学博士は
オショロコマ、ミヤベイワナ、アメマス
ニッコウイワナ、ヤマトイワナ
の五種とし
キリクチ ヤマトイワナ
亜種と唱え
  ゴ ギ ”
は種と認めず
ニッコウイワナ ”
に偏しました。
  
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3. 二  種  一  亜  種  説

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1967年
霊長類学の創始者
及び
棲み分け理論で世界的に高名な
文化勲章受章者
今西 錦司
理学博士日本の
イ ワ ナ
アメマス オショロコマ
斑紋点の無色と有色の二種
ゴ  ギ
を一亜種とし
他の有色斑紋点
ミヤベ・ニッコ ウ・ヤ マト・キリクチ
アメマス
地理的に連続的に変化する
” ク ラ イ ン ”
であると唱え
大島 正満 博士
の説を激しく批判しました。

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最後迄ご覧いただき
ありがとうございました
お気づきの点がございましたら
” コ メ ン ト ”
いただければ幸いです。

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