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Ⅰ. 小 菅 川
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山梨県・大菩薩連山
” 大菩薩峠1897m ”
の東斜面を主水源とし
” 山梨県小菅村 ”
北端を流れ
東京都との境界線で
奥多摩湖
に流入する
” 多摩川の支流 ”
およそ15kmであります。
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1.小菅川の在来渓魚
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” 多摩川水系 ”
の渓魚の自然分布は
” ヤマメ ・ イワナ ”
であり
” アマゴ ”
の自然分布は存在いたしません。
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Ⅱ. 小 菅 村
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東京都奥多摩町
奥多摩湖西端を境界線とする
山梨県東端の人口800余名
標高700m、95%が森林の
緩瀬な小菅川中流域に集落している山村です。
主たる産業は
” 蒟 蒻 ”
” 県下1位のワサビ栽培 ”
” ヤマメ ・ イワナ ”
の養殖事業であり
『 自然と遊びの宝庫、多摩源流の村 』
と標榜し
ヤマメ・イワナ釣り
ハイキング・キャンプ
等々の
” アウト・ドアスポーツ・フィールド ”
を整備し、更に村営
” 小菅の湯 ”
源泉温度30度以上の
” 世界的 ” にも極めて珍しい ” 高アルカリ性 ”
温泉等々と
都心からも2時間ほどのこともあり
観光事業に力を注いでおります。
因みに、1961年 ( 昭和36年 )
都奥多摩さかな養殖センター
( 旧東京都水産試験場奥多摩分場 )
が
” 日本初のヤマメ人工養殖 ”
に成功しことを受け
地の利もあり
いち早く ”ノウハウ ” を導入し
1963年(昭和38年)日本初の民間による
” ヤマメの人工養殖の事業化 ”
した村としても知れ渡っております。
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Ⅲ.小 菅 川 源 流 域
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小菅川源流域には
調布インター15分ー>八王子ー約17分ー>
上野原ー約1時間ー>
” 小菅村 ・ 白糸の滝駐車場 ”
を目指します。
中央道、上野原インターを降り
標識に従い
数分で甲州街道20号線に入り
1分程の ” Y字交差点 ” で30号線
に進み ” 鶴 川 ” 沿いを走り
道路標識に導かれて幾山越え
小 菅 村 役 場
前の信号機のある
” T字交差点 ”
に行き着き
役場隣の酒屋
で ” 入 漁 券 ” を
購入しましす。
!! ナナ ! ナント !!
女性は半額です。
!! 女性にに優しい小菅川 !!
そして
大菩薩峠方面 ” 小 菅 川 ” 沿いを走り
途中、15分ほど未舗装の悪路を通り
” 白糸の滝駐車場 ”
に到着します。
尚、東京都は明治時代から
源流域周辺の森林の殆どを
国有林の払下要請で獲得したり
山梨県及び民間所有の森林を
積極的に購入し
そ し て
水利権の絶対的確保を達成した事により
都民及び国際都市
としての重要な
独自の上水道源の礎を築き
1938年
小河内ダム建設に至り
1957年
に完成し
現代に重要な都市機能の役割
を果たしております。
尚、流域周辺は
東京都水道局
の管理下にあります。
駐車場から150m先は
山崩れで林道が30m程埋め尽くされ
” ガレ場 ” となり ” 通行不能 ”
手前5m程の
” 釣り人への注意書き ”
看板の所から入渓します。
釣 行 日 ・・・・・・・7月08日午前9時00分
天 気 ・・・・・・・ 晴れ
気 温 ・・・・・・・ 25度 水温=16度
R O D ・・・・・・・6.00 Foot Power = Slow
L I N E ・・・・・・・Phoenix Silk 3Weight
LEADER ・・・・・・ Phoenix Braided Silk Tappered 1.50m
TIPPET ・・・・・・・8 X
標 高 ・・・・・・750m
カナリの急勾配で足元は
” ジ メ ジ メ ”
短い距離ですが
信頼して
綱を握り締め下ります。
川からの様子
山崩れによる緩斜面は
” ガ レ ”
場を形成し
時 折
大きな砕石がコレゲ落ちてきます。
! 注 意 ・ 注 意 ・ 注 意 !
速やかに通り越しましょう。
細流で、勾配が緩やかな流れです。
とても変化のある遡行し易い渓流です。
巨石・巨岩・落ち込み・淵・瀬・朽木・苔
木々は陽を遮り
透明度が高い水の流れ。
9時40分、標高900m
最初の出会いです。
細かい白点が側線の上下に散らばっており
腹部に彩色は見当たりません。
? 奥多摩在来岩魚 ?
アメマスの陸封型
? エ ゾ イ ワ ナ ?
はこんな、感じなんですかね~?
右岸側の細流と
左岸側落ち込みからの
右岸への流れが
ぶつかり合う
苔むした岩廻りからのライズです。
両岸は小さく切り立った岩壁で
淵は深く遡行は無理です。
不安げに見回すと
左岸側に上から2本
綱が垂れ下がっています。
左手にロッド
右手に綱を握り締め
20cmほどの足場
マッ、落ちても水の中
低いから命に別状なし
気楽に ” ヘツリ ” ましょう。
10時40分、標高900m
小さい割には引きは良かった感じ。
左岸の細い瀬尻、岩廻りからのライズです。
川床、水中の岩、透けて見えます。
キレイデス、水。
遅い ” オヤツ ” 一服です。
渓流の清水を沸かし
リーフ・ティー、クッキー AND 羊羹。
短い小さなナメ滝
左岸際でのライズ発見
四つ這いになっての
” CAST ” で ” HOOKING ”
! OH !! NICE !! デカイ!
LANDING NET
を水中に差し入れた時・・・・・?
自然の両岩壁を利用して
自然石を積み上げ、セメントで固めた
威圧感のない堰堤。
前面コンクリートに比べると
ほっとする。
右岸の近巻きで。
同じく天然石を積み上げ固めた堰堤
遠目では凸凹感が
自然の滝と見間違えるほどです。
巻きの踏み跡を探すと
左岸に踏み跡、発見。
ナント・ナント
ロープ
が附いていま~す。
上流になると ” ゴーロ沢 ” になってきます。
登山者のための木橋です。
13時10分、遅い昼食です。
コーンスープとフランスパン
それに
クリームチーズにグースのパテ。
14時25分、標高1000m、2年魚です。
右岸の突き出た大石の先端から
小さいにも関わらず
派手な飛び出しです。
清水と朽ちた巨木の根元とコケと大石の
” オブジェ ” ?
14時50分
魚止めの滝といわれている
” 雄 滝 ”
男性が飛沫を浴びると
” 子宝に恵まれる ”
という伝説があります。
全国に ” 雄 滝 ・ 雌 滝 ” の名称は
数多くありますが
形、由来は似たようなものです。
帰り際に通った木橋
左に向かうと雄滝の展望台です。
川通しで下るのは
” シ ン ド イ ”
ので 楽な登山路・林道を歩き
山崩れの手前には
下りる所があるだろうと
駐車場所に向います。
登山路です。
ナダラカな勾配を5分ほど歩きます。
雄滝へ向かう木橋から約20分
下り所を探しながら来たが
着いてしまった。
覗いて見ると
ガードレール
沿いに踏み跡があるので下りることにした。
急斜面を
” ジ グ ザ グ ”
横向きに歩きながら下る
足場は枯葉が積もり
” フ ワ ・ フ ワ ”
で滑り易すくなってるので注意。
倒木の杉の木に摑まりながら
!! 川におりられたぞ~ !!
そして
5分程で朝の入渓点に戻った。
!! ラッキー・ラッキ~ !!
駐車場に戻った時は15時38分
これは駐車場のトイレです。
黒い棒を付けた長方形の
” 白い箱 ”
判ります?
そう、用を足し終えたら
黒い棒を上下に動かし
井戸の水を汲み上げるがごとき
” 人力水洗トイレ ”
なのです。
用足しして、一服
白糸の滝までは10分程なので行くことにした。
白糸沢から流れ落ちる
” 白 糸 の 滝 ”
落差36mです。
帰り際に村営の高アルカリ温泉
” 小 菅 の 湯 ”
に、満足・満足 !
平日で17時頃だったので
閑散としてます。
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** 約6時間40分の釣行雑感 **
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R I S E・・・・・・・5 回
合せ切れ・・・・・・・0
合せ仕損・・・・・・・1
バ ラ シ・・・・・・・1
LANDING-NET ・・・・・ 3 匹
LANDING-NET % ・・・60.0%
3年ぶり2回目の再訪だが
林道から急斜面の深い渓流で
林道から急斜面の深い渓流で
知る限りでは
入出渓地点が余りない。
水量は少なく
ナダラカな細流で、遡行し易く
落ち込み・淵・瀬・ナメ岩・ゴーロ
と規模は小さいが
変化に富んだ渓で
充分堪能できます。
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” ク リ ッ ク ”
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幸いです。
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Ⅳ.渓魚の自然分布と種
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1.アマゴ・ヤマメの自然分布圏
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① ” ア マ ゴ ”
学 名 = Oncarhynchus masou ishikawae
陸封型をアマゴ、降海型はサツキマス、と命名されています。
神奈川県・酒匂川以西
太平洋側、瀬戸内海に流れ出る河川
及び豊後水道に流入する
大分県と福岡県の県境の岩岳川以南
大分県・別府湾に注ぐ大野川までの間
そして、四国全域です。
② ” ヤ マ メ ”
学 名 = Oncarhynchus masou masou
陸封型をヤマメ、降海型はサクラマス、と命名されています。
神奈川県・酒匂川以北
北海道全域、日本海側全域
九州は鹿児島県と
" アマゴ自然生息圏 "
を除く全域です。
因みに
鹿児島県の110年に渡る
内水面漁業協同組合史の記述には
” ヤ マ メ ”
の文字は、見当たりません。
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2. 屋久島の ” ヤマメ ”
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” 屋久島安房川 ・ 小杉谷 ”
に棲息する山女は
鹿児島県水産試験場
旧大口養魚場
(1961年・昭和36年開設)
が1968,1969(昭43,44)年に
旧東京都水産試験場奥多摩分場
からヤマメ発眼卵を移入し
ふ化仔魚から養成した
親魚が元の稚魚を
1971年
(昭和46年)
『 財団法人・淡水魚保護協会 』
(理事長・木村英造・1994年2月解散)
会員だった文化勲章受章者
今西 錦司 博士
の働きかけにより
放流したとの石碑が
小杉谷集落
旧小杉小・中学校校門跡
の門柱前に
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3.イワナの種と自然分布圏
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① ” ヤ マ ト イ ワ ナ ”
学 名 = Salvelinus leucomaenis japonicus
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
静岡県・富士川から天竜川の間
主に中部山岳帯の太平洋側の最上流域
及び滋賀県・琵琶湖東岸に注ぐ諸河川です。
形態的特徴は背部の白色斑点が
” 無 ” or ” 不鮮明 ”
並びに
腹部に ” オレンジ色 ” の斑点があります。
命名は 大島 正満 理学博士です。
② ” ニッコウイワナ ”
学 名 = Salvelinus leucomaenis pluvius
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
神奈川県・相模川から利根川まで
新潟県・胎内川、三面川
のニッコウイワナとアメマスの混棲境界線から
鳥取県までの間
及び滋賀県・琵琶湖西岸に注ぐ諸河川です。
形態的特徴は背部に白色斑点
腹部に ” レモン色 ” の斑点があります。
命名は 大島 正満 理学博士です。
③ ” ゴ ギ ”
学 名 = Salvelinus leucomaenis imbrius
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
山陰では島根県の斐伊川から高津川まで
山陽では岡山県の吉井川から
広島県の太田川を経て、山口県の錦川まで
形態的特徴は
頭頂部から背部にかけて
淡色斑の虫喰い模様、鯖模様が存在し
腹部に ” レモン色 ” の斑点があります。
尚、大 島 正 満 博士 は ” 種 ” と認めず
ニッコウイワナに偏しています。
因みに
広島県の天然記念物に指定されております。
④ ” キ リ ク チ ”
学 名 = Salvelinus japonicus Oshima
陸封型のみの種で
降海型は、おりません。
世界最南端に棲息し
過っては奈良県・十津川
和歌山県・日高川、熊野川に生息していましたが
現在は奈良県・十津川最上流部の1支流2谷となり
他河川においては絶滅したとのことです。
形態的特徴は
腹部に ” オレンジ色 ” の斑点があります。
因みに
奈良県の天然記念物に指定されております。
尚、大 島 正 満 博士 は
ヤマトイワナの1亜種と捉えております。
⑤ ” ア メ マ ス ”
学 名 = Salvelinus leucomaenis leucomaenis
降海型をアメマス、陸封型はエゾイワナ
と命名されています。
茨城県・那珂川以北と新潟県・胎内川、三面川の
ニッコウイワナとアメマスの混棲圏以北
及び北海道全域です。
及び北海道全域です。
形態的特徴は
全体に ” 白色斑点 ” があります。
⑥ ” オショロコマ ”
学 名 = Salvelinus malma malma
陸封型をオショロコマ
降海型はオショロコマスと命名。
北海道内に限られており
東部=知床半島、標津地方
中央部=石狩、日高山渓
西部=支笏、定山渓地方
及び渡島半島です。
形態的特徴は
体側に ” 赤色斑点 ” があります。
⑦ ” ミヤベイワナ ”
学 名 = Salvelinus malma miyabei
北海道、十勝管内の大雪山国立公園内にあり
道内最高所の湖、標高810mに位置し
カルデラ湖 OR 火山性堰止湖とも言われている
周囲13.8km、最大深度108m
冬季間は結氷する
この ” 然別湖 ” のみに生息しているイワナです。
形態的特徴は
体側に ” 赤色斑点 ” があります。
動物学者 大島 正満 博士 は
然別湖のみに生息するイワナを新種としましたが
他の多くの学者はオショロコマの亜種と捉えています。
命名は1938年新種として大島博士が恩師である
札幌農学校( 現在の北海道大学 )の
宮部 金吾 博士
の名を学名に冠し、贈呈した由来があります。
又、北海道の天然記念物に指定されております。
以上が、動物学者 ” 大島 正満 博士 ” の学説であります。
尚、九州には ” イワナ ” の自然分布圏は存在しません
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Ⅴ.日本のイワナの分類
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1.” 一 種 説 ”
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1951年
魚類分類学の創始者
田中 茂穂 理学博士は
日本のイワナは
日本のイワナは
オショロコマ
一種とする説。
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2. ” 五 種 一 亜 種 説 ”
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1961年
動物学者 大島 正満 理学博士は
オショロコマ、ミヤベイワナ、アメマス
オショロコマ、ミヤベイワナ、アメマス
ニッコウイワナ、ヤマトイワナ
の五種とし
キリクチ は ヤマトイワナ
キリクチ は ヤマトイワナ
の亜種と唱える。
ゴ ギ は種と認めず
ゴ ギ は種と認めず
ニッコウイワナ
に偏しました。
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3.” 二 種 一 亜 種 説 ”
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1967年
霊長類学の創始者及び棲み分け理論で
世界的に高名な
世界的に高名な
文化勲章受章者 今西 錦司 理学博士は
日本のイワナは
アメマス と オショロコマ
斑紋点の無色と有色の二種
ゴ ギ
を一亜種とし
他の有色斑紋点
他の有色斑紋点
ミヤベ・ニッコ ウ・ヤ マト・キリクチ
は
アメマスノ
アメマスノ
の地理的に連続的に変化する
” クライン ”
であると唱え
大島 正満 博士
の説を激しく批判しました。
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最後迄ご覧いただき
ありがとうございます。
お気づきの点がございましたら
” コ メ ン ト ”
いただければ幸いです。
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